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?都市部における物流効率化の必要性の増大
わが国の人口増加の大半は、東京、大阪、名古屋の3大都市の概ね50km圏内での増加であり、都心の密度がより一層上昇する傾向にある。そして、人口規模、または従業者数の大きい都市部ほど、製造品出荷額や、商品販売額が大きくなっている。そのため、都市部での交錯配送等の問題が指摘されている。
また、都市の過密化や依然として高い地価水準から都市部での物流拠点の拡張等ができないこと、またトラック台数の増加や路上での貨物の積み卸し作業等により一般道路等における交通阻害等の問題が発生していることから、都市部における物流の効率化の必要性が高まっている。
さらに、都市部においては流入・流出のピーク時やボトルネックとなっている各所で交通渋滞が慢性化していることから、道路環境の改善といった視点からも都市部において、より効率的な輸送体系の構築が求められる。

 

?物流サービスの高度化とロジスティクスの進展
[物流サービスの小口化]
運輸省の「路線トラック調査調査」、「特別積合トラック調査」によると、1口当たりの平均重量、平均個数ともに減少しており、物流の小口化が進展している。また、宅配便に見られるような小口貨物の取扱量は年々、一貫して増加傾向を示している。

 

[物流サービスの多頻度化]貨物の流動量を件数べースでみると、昭和60年から平成2年にかけて増加する傾向が見られており、配送の多頻度化が進展していることがうかがわれる。
これらの動きは、在庫の削減、売れ筋商品の確認及び重点的な生産・販売等による経済合理性を追求したもので、消費者ニーズの多様化、高度化、情報技術の進展等を背景にこれまで進展してきたものと考えられる。

 

[取扱アイテム数の増加]
物流事業者の取扱うアイテム数は増加傾向がうかがわれる。しかし、近年の景気の低迷を反映し、部品の共通化が図られるなど、生産側から取り扱いアイテム数の削減の動きが見られる。

 

[ロジスティクスの進展と業際化の動き]
ロジスティクスの進展に伴い、製造、輸送、販売といったこれまでの役割分担に戦略性や一貫性がより求められているとともに、トータルコストを削減する動きが見られる。
この様な中、荷主と物流事業者間の業種間の連携や役割分担においても物流業のサービス化の進展などが見られるようになってきている。

 

 

 

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